大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)1654 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人木原主計の上告趣意は、量刑を非難するに帰し刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。

弁護人武藤運十郎、同塚原豊喜、同市川渡の上告趣意第一点及び第二点について。

個々の事件にはそれぞれ個別性があり、外形的に事実関係が類似する場合といえ

ども必ずしも情状を同じくするものとはいえず、従つて数個の事件の間に量刑上の

差異を生ずることがあつても、この一事のみを捉えて直ちに公平を欠くものという

ことはできないのであつて、この理は、本件と所論別件との間についても亦妥当す

る。そして記録に徴しても、本件被告人のみが量刑の上で特に差別的な取扱を受け

たと認められる節は窺われないのである。のみならず原判決の趣旨とするところは

判文自体からも窺われるごとく、被告人の町議会議員としての地位に伴う社会的道

義的責任は、率先して公明選挙の実現に協力すべきでありその他諸般の情状上、第

一審が被告人を罰金二万五千円に処しその公民権を停止しなかつたのは量刑相当と

認められるとするにあつて、被告人の情状の軽くない事情を説明したに過ぎないも

のと解するを相当とする。されば論旨中憲法一四条違反の主張は、その前提を欠き

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。又、原審の組織構成が偏頗不公平のおそれが

あるものとは到底認められないから(昭和二三年五月五日大法廷判決、集二巻五号

四四七頁参照)、論旨中憲法三七条一項違反の主張も採用することができない。

同第三点について。

所論は、量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお記録を調べても、本件につき同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条に従い裁判官全員一致の意見により主文のとおり判決する。

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昭和三一年九月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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